2011年6月9日木曜日

吉野崇「ソングス」6/12発売!


今度の作品は岩手は平泉在住のお菓子職人、吉野崇さんのオリジナル曲集。崇君は平泉駅前のお菓子屋さん「吉野家」の4代目としてお菓子を作る傍ら、スポーツトレーナー、運動療法士としての仕事もこなす多忙な青年です。現在36歳の彼は、30歳の頃からウクレレを弾き始め、同時に曲を作り始めます。それまでは楽器を演奏した経験も音楽をしたこともなかったというから驚きです。彼が、自分の畑で穫れた真っ白な大根を見て、「自分への応援歌」というつもりで書いた『大根コン』という曲が評判となり、2010年4月より「NHKいわてみんなのうた」で放映され、共演したドリームキッズの可愛い映像と共に人気を博しました。
彼のデビュー・アルバムとなる本作品は、数年来の相方である古川大(こがわ たかし)がピアノと編曲を担当し、ゲストに岡 淳(サックス、フルート)やドリームキッズ(うた)を迎え、一関市千厩の「角蔵ホール」にて2月の終わりに収録されました。

録音を終えてCDとして作品を完成させる作業にかかろうとした矢先に、あの大震災が起こりました。自らが被災者となった彼らも震災による影響を受け、CD制作の作業は一時中断を余儀なくされました。時が経ち落ち着きを取り戻す中、制作は再開されやっと完成へとこぎつけることが出来ました。このアルバムは震災をまたがって制作されたという点で非常に特殊な意味を持つ作品となりました。
 崇くんの作品は彼の日常から生まれた、言ってみれば極めて個人的なうたです。それゆえにプロの作る音楽には無いきらめきをもっています。震災の起こる以前に彼が書いた曲、自分への応援歌として書いた曲は、震災を体験した東北、復興に向かう日本の人々の応援歌ともなるのではないかと思います。
 このアルバムに寄せて、平泉のイラストレーター矢崎静香さんが、震災直後に崇くんの歌を聴きながら素晴らしい絵を描いてくれました。色々な人の思いがこめられた作品です。たくさんの人に聴いてもらえることを願っています。